Web制作の提案書を毎回ゼロから作っていると、初回相談後の作業が重くなります。ヒアリングは終わったのに、提案書に落とし込む段階で手が止まることがありますよね。
「ヒアリング内容はあるのに、提案書の形にするまで時間がかかる」「ChatGPTに頼んでも、どこか抽象的でそのまま送れない」と感じる人も多いはずです。
この記事では、Web制作フリーランスや副業ワーカー向けに、ヒアリングメモをChatGPTで提案書の下書きへ変換する方法を解説します。提案書の構成、入力例、プロンプト、AI出力の修正例、送付前チェックまで扱います。
最後まで読むと、AIで提案書のたたき台を作り、人間が確認すべき部分を直して、クライアントに出せる提案文へ整える流れが分かります。提案書づくりを少し軽くしたい人向けに、実務で使う順番でまとめました。
この記事の要点
ChatGPTは提案書の完成版ではなく、骨子・初稿・抜け漏れ確認に使うと安定します。
- Web制作の提案書は、きれいな資料ではなく「課題、提案内容、範囲、費用、進め方」を合意するための文書です。
- ChatGPTは、ヒアリングメモの整理、目次案、初稿、抜け漏れチェックに使えます。
- 見積金額、納期、制作範囲、成果表現、契約条件はAIに任せきらず、人間が確認します。
- 良い提案書にするには、AIの文章を「相手の状況」「根拠」「次の行動」が分かる形へ修正します。
- 送付前には、言い過ぎ、未確認情報、追加費用の抜け、責任範囲の曖昧さをチェックします。
Web制作の提案書とは
Web制作の提案書とは、クライアントの課題に対して、どのようなWebサイトや改善施策を提案するのかをまとめた文書です。
目的は、ただ「制作できます」と伝えることではありません。相手が判断できるように、現状の課題、制作や改善の目的、提案するサイト構成、制作範囲、概算費用、スケジュール、進行体制、次に確認すべきことを整理します。
Web制作の提案書では、デザイン案より先に「何を解決するのか」を明確にする必要があります。見た目の話だけで進めると、問い合わせ、採用、販売、予約などの成果地点が曖昧になり、完成後の評価もぶれやすくなります。
Web制作提案書をAIで下書きする全体像
提案書作成でAIを使う場合は、いきなり「提案書を書いて」と依頼しないほうが安定します。おすすめは、ヒアリングメモを分解し、提案書の骨子を作り、人間が確認してから文章にする流れです。

- ヒアリングメモを整理する。
- AIで提案書の骨子を作る。
- 人間が事実、範囲、費用、表現を確認する。
- クライアントに伝わる提案文へ整える。
この順番にすると、AIの出力が抽象的になりにくくなります。AIには「文章を完成させる」よりも、「材料を分類する」「構成を作る」「初稿を出す」役割を任せるほうが実務で使いやすいです。
提案書に入れる基本構成
Web制作フリーランスが提案書を作るなら、まずは次の構成で十分です。
| 項目 | 書く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 表紙 | 案件名、提出日、提出者 | クライアント名と案件名を間違えない |
| 相談内容の整理 | 初回相談で聞いた課題や目的 | 相手の言葉を使う |
| 提案の方向性 | 何を優先して制作するか | デザインだけでなく成果地点を書く |
| サイト構成 | 必要ページ、導線、機能 | 含む範囲と含まない範囲を分ける |
| 制作範囲 | 原稿、写真、CMS、フォーム、公開作業 | 追加費用になる作業を明記する |
| 概算見積 | 金額、前提条件、オプション | 金額だけでなく条件を書く |
| スケジュール | 着手、確認、修正、公開 | 相手側の確認期間も入れる |
| 進行体制 | 担当者、確認者、連絡方法 | 決裁者と確認者を分ける |
| 次のアクション | 追加確認、見積確定、契約、着手 | 送付後に何をすればよいか書く |
最初から立派なスライドを作る必要はありません。見た目を整える前に、中身の筋道を固めるほうが大切です。まずは、この構成で文章の中身を固めます。その後、必要に応じてCanva、Googleスライド、PowerPointなどで見やすく整えます。
AIで下書きする前に整理するヒアリングメモ
未確認事項は推測で埋めません。AIには必ず「未確認」として残させます。
AIに渡すメモは、長い議事録のまま貼るより、項目ごとに分けたほうが精度が上がります。最低限、次の形式に整理します。
クライアント:
業種:
相談内容:
現状の課題:
今回の目的:
ターゲット:
成果地点:
必要ページ:
必要機能:
原稿・写真・ロゴ:
予算感:
希望納期:
確認体制:
未確認事項:
こちらから提案したいこと:
特に大事なのは、未確認事項を分けることです。AIは空欄をそれらしく埋めてしまうことがあります。未確認のまま提案書に入れると、あとで認識ズレが起きます。
ヒアリングメモを提案書にするプロンプト例
以下のプロンプトを使うと、ヒアリングメモから提案書の骨子を作れます。
あなたはWeb制作フリーランスの提案書作成を補助する編集者です。
以下のヒアリングメモをもとに、Web制作提案書の下書きを作ってください。
目的:
- クライアントが検討しやすい提案書の骨子を作る
- 制作範囲、未確認事項、次の確認事項を明確にする
- 成果保証に見える表現や、根拠のない断定は避ける
ヒアリングメモ:
"""
ここにメモを貼り付ける
"""
出力形式:
1. 相談内容の要約
2. 現状課題
3. 提案の方向性
4. サイト構成案
5. 制作範囲
6. 概算見積に影響する項目
7. 想定スケジュール
8. 未確認事項
9. 次回確認すべき質問
10. 提案書にそのまま使える文章案
条件:
- 未確認の情報は推測せず「未確認」と書く
- クライアントに送る前提で、丁寧だが回りくどくない文章にする
- 「必ず成果が出る」「売上が上がる」などの断定表現は使わない
- 制作範囲に含むもの、含まないもの、追加見積になりそうなものを分ける
このプロンプトのポイントは、AIに完成版を求めすぎないことです。いきなり完成品を出そうとすると、抽象的な文章になりやすいです。最初の出力は、提案書の材料と骨子として扱います。
入力例:ヒアリングメモ
クライアント:
地域密着の整体院
相談内容:
既存サイトからの予約が少ない。スマホで見づらく、料金や施術内容も古い。
現状の課題:
・トップページの導線が分かりにくい
・予約ボタンが下の方にある
・施術メニューが古い
・写真が少なく院内の雰囲気が伝わりにくい
今回の目的:
スマホから予約しやすいサイトにしたい。
ターゲット:
肩こりや腰痛で悩む30〜50代の近隣住民。
成果地点:
LINE予約または電話予約。
必要ページ:
トップ、施術メニュー、料金、初めての方へ、院内紹介、アクセス、お問い合わせ。
必要機能:
LINE予約ボタン、電話ボタン、Googleマップ埋め込み。
未確認事項:
写真撮影をこちらで行うか未確認。
原稿を誰が用意するか未確認。
公開後の更新担当が未確認。
この状態まで整理してからAIに渡すと、提案書の方向性がぶれにくくなります。
出力例:提案書の骨子
相談内容の要約:
既存サイトはスマホで予約導線が分かりづらく、施術内容や料金情報も古くなっています。
今回の制作では、近隣住民がスマホで内容を確認し、LINEまたは電話で予約しやすい構成へ改善することを目的とします。
提案の方向性:
トップページでは、症状別の導線、主要メニュー、予約ボタンを上部に配置します。
施術メニューと料金ページを整理し、初めて来院する人が不安を減らせる情報を追加します。
制作範囲:
トップページ、施術メニュー、料金、初めての方へ、院内紹介、アクセス、お問い合わせの7ページを想定します。
LINE予約ボタン、電話ボタン、Googleマップ埋め込みを含めます。
未確認事項:
写真撮影の有無、原稿作成の担当、公開後の更新担当は未確認です。
見積確定前に確認が必要です。
この時点では、まだ完成ではありません。人間が、事実、制作範囲、費用、スケジュール、表現を直していきます。
AIで下書きする範囲と人が判断する範囲
提案書作成で失敗しやすいのは、AIに任せる範囲を広げすぎることです。AIで下書きできる範囲と、人間が判断する範囲を分けます。

AIに任せやすいのは、ヒアリングメモの要約、提案書の目次案、初稿の文章化、抜け漏れチェックです。一方で、受ける制作範囲、含まない作業、追加費用になる作業、見積金額、納期の現実性、成果表現の言い方、契約前に確認すべき条件は人間が判断します。
特に「問い合わせが増えます」「売上改善につながります」といった表現は注意が必要です。提案として方向性を示すことはできますが、成果保証に見える書き方は避けます。
AI出力をそのまま使わず修正する
AIが作る提案文は、丁寧ですが抽象的になりがちです。そのまま送るのではなく、相手の相談内容に合わせて具体化します。

修正前の例です。
御社の魅力を最大限に伝える、見やすく使いやすいWebサイトを制作します。
集客効果も期待できる構成をご提案します。
この文章は悪くありませんが、どの相談内容に対する提案なのかが分かりません。成果保証に見える表現もあります。
修正後は、次のようにします。
初回相談で伺った「スマホから予約しづらい」という課題をもとに、
トップページ上部の予約導線、施術メニューの整理、LINE予約ボタンの配置を優先して改善します。
まずは、初めて来院する方が料金と予約方法を迷わず確認できる構成を目指します。
修正のポイントは、相手の言葉、具体的な改善箇所、目指す状態を書くことです。
提案書の送付前チェックリスト
送付前は、制作範囲・未確認事項・見積条件・成果表現を必ず確認します。
AIで下書きした提案書は、送付前に必ず確認します。
| チェック項目 | 確認すること |
|---|---|
| 相談内容 | 初回相談で聞いた課題とずれていないか |
| 制作範囲 | 含む作業、含まない作業、追加費用の扱いが分かるか |
| 未確認事項 | 推測で埋めた情報がないか |
| 見積条件 | ページ数、機能、原稿、写真、修正回数の前提が書かれているか |
| スケジュール | クライアント側の確認期間も入っているか |
| 成果表現 | 成果保証や断定に見える表現がないか |
| 守秘情報 | 他社情報や個人情報を不要に入れていないか |
| 次の行動 | 返信、追加確認、見積確定、契約など次にやることが分かるか |
AIは文章を整えるのが得意ですが、契約条件や責任範囲の判断はできません。OpenAIのヘルプでも、ChatGPTは誤った内容を返す場合があり、重要情報は信頼できる情報で確認するよう案内されています。
業務利用では、クライアント名、売上、個人情報、未公開情報などを入力する前に、使っているAIツールのデータ利用やプランの扱いも確認します。
提案書を短時間で作る実務フロー
- 初回相談メモを項目別に整理する。
- 未確認事項を別枠に分ける。
- AIで提案書の骨子を作る。
- 制作範囲、見積条件、スケジュールを人間が直す。
- 抽象的な文章を、相手の課題に合わせて具体化する。
- 送付前チェックリストで確認する。
- PDFやスライドに整えて送る。
最初からデザインに時間をかけるより、まずは文章の中身を固めるほうが早いです。中身が決まってから、表紙、見出し、図解、見積表を整えます。
よくある失敗
失敗の多くは、AIに完成版を求めすぎることから起きます。下書き後の確認工程を前提にしましょう。
AIに「いい感じの提案書」を頼んでしまう
入力が曖昧だと、出力も曖昧になります。AIには、クライアント情報、課題、目的、制作範囲、未確認事項を渡します。
提案範囲と見積範囲がずれる
提案書で書いた内容が、見積や契約に含まれているとは限りません。文章では「提案します」と書いていても、見積範囲に含むかどうかは別で明記します。
成果を約束するような表現になる
Web制作は、サイト公開だけで成果が決まるわけではありません。広告、SNS、既存顧客、商品力、価格、運用体制も関係します。提案書では「改善を目指す」「導線を整える」「検証しやすくする」のような表現にします。
未確認事項をAIが補完してしまう
AIは自然な文章を作るため、分からない情報もそれらしくつなげることがあります。未確認事項は「未確認」と書かせ、送付前に人間が確認します。
Web制作提案書とChatGPTのよくある質問
- ChatGPTで作った提案書はそのまま送れますか?
-
そのまま送るのは避けたほうがよいです。AIの出力は骨子や初稿として使い、制作範囲、費用、納期、成果表現、未確認事項は人間が確認してから整えます。
- 提案書づくりで最初にAIへ渡すべき情報は何ですか?
-
ヒアリングメモ、目的、ターゲット、必要ページ、制作範囲、未確認事項を渡します。特に未確認事項を分けておくと、AIが推測で埋めるリスクを減らせます。
- 提案書で成果表現を書くときの注意点は?
-
問い合わせ増加や売上改善を断定しないことです。方向性や改善仮説として書き、成果保証に見える表現は避けます。
まとめ
Web制作の提案書は、ゼロから文章を書くよりも、ヒアリングメモを整理し、AIで骨子を作り、人間が判断する流れにすると作りやすくなります。
ポイントは、AIに任せる作業と人間が確認する作業を分けることです。AIには要約、構成案、初稿、抜け漏れチェックを任せます。制作範囲、見積条件、納期、成果表現、契約前の確認は人間が判断します。
まずは次の案件で、ヒアリングメモを項目別に整理し、この記事のプロンプトで提案書の骨子を作ってみてください。提案書テンプレートやヒアリング整理シートまでまとめたい場合は、AI活用スターターキットに入れる形で、営業・提案の流れを一式にすると再利用しやすくなります。

